カテゴリ: C# 更新日: 2026/02/03

C#のthisキーワードとは?現在のオブジェクトを指す仕組みをわかりやすく解説!

C#のthisキーワードとは?現在のオブジェクトを指す仕組み
C#のthisキーワードとは?現在のオブジェクトを指す仕組み

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「C#でクラスの中の変数を使おうとしたら、思ったように動かないことがあるんです…」

先生

「それは、同じ名前の変数がかぶっている場合かもしれませんね。そんなときにはthisキーワードを使うと解決できますよ。」

生徒

「thisって何ですか?初心者なので全然わからなくて…」

先生

「大丈夫です。thisは“このクラスのことだよ”という意味で、自分自身を指すキーワードなんですよ。詳しく説明していきましょう!」

1. C#のthisキーワードとは?

1. C#のthisキーワードとは?
1. C#のthisキーワードとは?

C#のthisキーワードは、「現在のオブジェクト(インスタンス)自身」を指すための特別な言葉です。プログラムの中で、自分自身をはっきりと示したいときに使います。

たとえば、クラスの中で同じ名前の変数(引数とフィールド)があるとき、どちらを使っているのか曖昧になることがあります。そのようなときにthisを使うと、クラスのフィールド(変数)をはっきり指定できます。

このような場面でよく使われます:

  • コンストラクタの引数とフィールドの名前が同じとき
  • メソッドの中で自分自身のプロパティやメソッドを呼びたいとき
  • コードを読みやすく整理したいとき

2. なぜthisが必要なの?初心者でもわかる例で解説

2. なぜthisが必要なの?初心者でもわかる例で解説
2. なぜthisが必要なの?初心者でもわかる例で解説

次の例を見てください。生徒の名前を設定するためのクラスがありますが、コンストラクタの引数とフィールドの名前がどちらもnameです。


class Student
{
    string name;

    public Student(string name)
    {
        this.name = name;
    }

    public void PrintName()
    {
        Console.WriteLine("名前は " + this.name + " です。");
    }
}

このようにthis.nameと書くことで、「クラスのフィールドであるname」を指していると明確にわかります。

もしthisを使わずにname = name;と書くと、どちらも引数のnameを指してしまい、フィールドのnameが設定されないというバグにつながる可能性があります。

3. 実行してみよう:thisを使ったサンプルプログラム

3. 実行してみよう:thisを使ったサンプルプログラム
3. 実行してみよう:thisを使ったサンプルプログラム

それでは、実際にthisキーワードを使ったC#の簡単なプログラムを実行してみましょう。


using System;

class Student
{
    string name;

    public Student(string name)
    {
        this.name = name;
    }

    public void Greet()
    {
        Console.WriteLine("こんにちは!私は " + this.name + " です。");
    }
}

class Program
{
    static void Main()
    {
        Student student1 = new Student("たろう");
        student1.Greet();
    }
}

このプログラムを実行すると、次のような出力が表示されます。


こんにちは!私は たろう です。

このように、thisを使うことで、「このインスタンスのnameだよ」と明示的に指し示すことができます。

4. thisはどこでも使えるの?使える場面と使えない場面

4. thisはどこでも使えるの?使える場面と使えない場面
4. thisはどこでも使えるの?使える場面と使えない場面

thisキーワードはインスタンスメソッドコンストラクタの中で使えます。つまり、オブジェクトが存在している状態でしか使えません。

逆に、staticメソッド(静的メソッド)では使えません。なぜなら、staticメソッドは「クラスそのもの」に対して動くため、「インスタンス(オブジェクト)」が存在していないからです。


class MyClass
{
    string name = "花子";

    public void ShowName()
    {
        Console.WriteLine(this.name); // OK
    }

    public static void ShowStatic()
    {
        // Console.WriteLine(this.name); // コンパイルエラーになります!
    }
}

5. 自分のメソッドを呼ぶときにもthisは使える

5. 自分のメソッドを呼ぶときにもthisは使える
5. 自分のメソッドを呼ぶときにもthisは使える

自分のクラスの中にある別のメソッドを呼ぶときにもthisを使うことができます。


class Dog
{
    public void Bark()
    {
        Console.WriteLine("ワンワン!");
    }

    public void CallBark()
    {
        this.Bark(); // thisを使って自分のメソッドを呼び出し
    }
}

もちろん、thisを省略してBark();と書いても動作しますが、thisを明示的に書くことで「これはこのクラス自身のメソッドだよ」とわかりやすくなります。

6. 初心者がthisでつまずきやすいポイント

6. 初心者がthisでつまずきやすいポイント
6. 初心者がthisでつまずきやすいポイント

thisキーワードは便利ですが、初心者が間違いやすいポイントもあります。

  • コンストラクタでthisを書き忘れて、フィールドに値が入らない
  • staticメソッドでthisを使ってエラーになる
  • 自分のメソッドや変数にアクセスする際にthisが不要なのに無理に使おうとする

これらを避けるためには、「インスタンスで動く処理の中でだけthisが使える」という基本をしっかり覚えておくことが大切です。

まとめ

まとめ
まとめ

C#のthisキーワードは、クラス設計やオブジェクト指向を学ぶうえで欠かせない非常に重要な仕組みです。この記事で扱ってきた内容を振り返ると、thisは単なる補助的な書き方ではなく、「現在のインスタンス自身をはっきりと指定する」という明確な役割を持っていることがわかります。特に、フィールドと引数の名前が同じ場合や、クラス内部から自分自身のメソッドやプロパティを参照したい場合にとても有効であり、初心者が混乱しやすいポイントでもあります。だからこそ、正しい使い方を理解しておくことで、プログラムの読みやすさや保守性が大きく向上します。

また、thisはコードの意図を明確に伝えるためにも役立ちます。開発現場では「誰が読んでも理解できるコード」が求められるため、処理の対象がどの変数であるかを示すことは非常に重要です。とくにオブジェクト指向プログラミングではインスタンスが複数存在する前提でコードが成り立つため、その中で「このインスタンス自身だよ」と明示できるthisは、実践的な開発でも頻繁に使われる基本テクニックのひとつといえます。

さらに、thisはコンストラクタだけでなく、自分のメソッド呼び出し、プロパティ呼び出しなど多くの場面で活用できます。省略しても動く場面でも、あえてthisをつけることで処理の流れが把握しやすくなる場合も多く、わかりやすいクラス設計の助けになります。一方で、静的メソッドでは使用できないという制約もあり、これを知らないと初心者はエラーに戸惑ってしまいがちです。こうした制約も含めて理解しておくことで、C#言語の仕組みをより深く学ぶことができます。

ここでは、実際のC#プログラムでよくある場面を踏まえ、整理しながら理解を深められるようにサンプルコード付きでthisの活用例を紹介します。実務でありがちなフィールドと引数の衝突、インスタンスメソッドからの呼び出し、データの整合性を保つための設計など、thisを使うことでミスを防げる箇所を意識しながら学ぶと、より応用が効く知識として身につけられます。以下のサンプルでは、複数のプロパティをthisで明示的に扱いながら、読みやすい形で値を設定していく実践的な書き方を示しています。

サンプルプログラム:thisで複数の値を整理して管理する例

次のコードは、ユーザー情報を扱うクラスを例にしたものです。同じ名前の引数とフィールドがある場合でもthisを用いることで、どの値がどこに入るのかが明確になり、後からコードを読んだときにも理解しやすくなります。


class User
{
    string name;
    int age;
    string address;

    public User(string name, int age, string address)
    {
        this.name = name;
        this.age = age;
        this.address = address;
    }

    public void ShowInfo()
    {
        Console.WriteLine("名前: " + this.name);
        Console.WriteLine("年齢: " + this.age);
        Console.WriteLine("住所: " + this.address);
    }

    public void UpdateAddress(string address)
    {
        this.address = address;
    }
}

このように、フィールドと引数の判別が難しいケースでも、thisを使用することでコードの意図を明確に示せます。複数の値を扱うクラスほどthisの効果が大きく、特にチーム開発や後から読み返すことが多いプロジェクトでは大きなメリットになります。

実際の開発では、thisを使いこなしてクラスの管理や値の整理を丁寧に行うことが、品質の高いコードを書く第一歩です。初心者のうちは「省略できるならいらない?」と思いがちですが、明確性を高めるために書いたほうが良い場面も多く、状況に応じて使い分けることが重要となります。

C#のthisは小さなキーワードながら、クラス設計・オブジェクト指向・データ管理といったさまざまな基礎知識につながる大切な概念であり、上達するほど活用の幅が広がります。この記事の内容を振り返りながら、自分のプログラムでも積極的に取り入れてみてください。

先生と生徒の振り返り会話

生徒

「読み返してみると、thisってただ書くだけじゃなくて、コード全体のわかりやすさに関わるんですね!」

先生

「そのとおりです。特に値の衝突が起こる場面では、thisを使うことで意図がはっきりしますし、ミスを防ぐ効果が大きいんです。」

生徒

「staticメソッドでthisが使えない理由もよくわかりました。インスタンスが必要だからなんですね。」

先生

「ええ、その違いを理解できるとC#のクラス設計がぐっと楽になりますよ。自分のメソッドを呼ぶときにthisを付けるかどうかも、読みやすさを考えて選べるようになります。」

生徒

「なるほど、もっと実際のコードでも意識して使ってみます!学んだことが全部つながってきました!」

この記事を読んだ人からの質問

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プログラミング初心者からのよくある疑問/質問を解決します

C#のthisキーワードとは何ですか?初心者でもわかるように説明してください。

C#のthisキーワードとは、「現在のオブジェクト自身」を指す特別なキーワードです。クラスの中で自分自身を明示したいときに使い、主にフィールドと引数の名前が同じときに区別するために使います。
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