カテゴリ: C# 更新日: 2026/02/06

C#のLINQの遅延評価と即時評価を完全理解!初心者でもわかる違いと使い分け

C#のLINQの遅延評価と即時評価を理解しよう
C#のLINQの遅延評価と即時評価を理解しよう

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、LINQを使ってデータを取得したんですが、思った通りに動かないことがあるんです。」

先生

「それはもしかしたら、LINQの遅延評価と即時評価の違いが原因かもしれませんね。」

生徒

「遅延評価と即時評価って何ですか?」

先生

「LINQには、すぐに結果を取得する方法と、必要になるまで待つ方法があるんです。これを理解すると、プログラムの動きがよくわかるようになりますよ。それでは詳しく見ていきましょう!」

1. 遅延評価とは?

1. 遅延評価とは?
1. 遅延評価とは?

C#のLINQにおける遅延評価(ちえんひょうか)とは、クエリを書いた時点ではすぐに処理を実行せず、実際にその結果が必要になったタイミングで初めて処理を行う仕組みのことです。

これは、レストランで例えるとわかりやすいです。メニューを見て「これを注文しよう」と決めた時点では、まだ料理は作られていません。実際にオーダーを店員さんに伝えて、料理が運ばれてくる時に初めて調理されるイメージです。

LINQのWhereSelectといったメソッドは、基本的に遅延評価で動作します。つまり、これらのメソッドを呼び出しただけでは、データの処理は実行されていないのです。

2. 遅延評価の具体例

2. 遅延評価の具体例
2. 遅延評価の具体例

実際のコードで遅延評価の動きを確認してみましょう。


using System;
using System.Linq;
using System.Collections.Generic;

class Program
{
    static void Main()
    {
        // 数値のリストを作成
        List<int> numbers = new List<int> { 1, 2, 3, 4, 5 };
        
        // LINQクエリを定義(この時点ではまだ実行されない)
        var query = numbers.Where(n => n > 2);
        
        Console.WriteLine("クエリを定義しました");
        
        // 元のリストに新しい値を追加
        numbers.Add(6);
        
        // ここで初めてクエリが実行される
        foreach (var num in query)
        {
            Console.WriteLine(num);
        }
    }
}

実行結果:


クエリを定義しました
3
4
5
6

このコードでは、Whereメソッドでクエリを定義した後に、元のリストに6を追加しています。そして、foreachループで結果を取得する時点で初めてクエリが実行されるため、追加した6も結果に含まれています。これが遅延評価の特徴です。

3. 即時評価とは?

3. 即時評価とは?
3. 即時評価とは?

即時評価(そくじひょうか)は、その名の通り、クエリを書いた時点ですぐに処理を実行して、結果を取得する方法です。

先ほどのレストランの例で言えば、注文と同時に料理が作られて、その場で受け取るようなイメージです。ファストフード店で注文したらすぐに商品が渡されるような感じですね。

LINQで即時評価を行うには、ToList()ToArray()Count()First()などのメソッドを使います。これらのメソッドを呼び出すと、その瞬間にクエリが実行されて、結果が確定します。

4. 即時評価の具体例

4. 即時評価の具体例
4. 即時評価の具体例

即時評価がどのように動作するか見てみましょう。


using System;
using System.Linq;
using System.Collections.Generic;

class Program
{
    static void Main()
    {
        // 数値のリストを作成
        List<int> numbers = new List<int> { 1, 2, 3, 4, 5 };
        
        // LINQクエリを定義して即座にリストに変換(即時評価)
        var result = numbers.Where(n => n > 2).ToList();
        
        Console.WriteLine("即時評価で結果を取得しました");
        
        // 元のリストに新しい値を追加
        numbers.Add(6);
        
        // 結果を表示
        foreach (var num in result)
        {
            Console.WriteLine(num);
        }
    }
}

実行結果:


即時評価で結果を取得しました
3
4
5

今回はToList()メソッドを使ったため、その時点でクエリが実行されて結果が確定しました。そのため、後から元のリストに6を追加しても、結果には含まれません。これが即時評価の特徴です。

5. 遅延評価と即時評価の違いを比較

5. 遅延評価と即時評価の違いを比較
5. 遅延評価と即時評価の違いを比較

ここで、遅延評価と即時評価の違いをわかりやすく整理してみましょう。

項目 遅延評価 即時評価
実行タイミング 結果が必要になった時 メソッド呼び出し時
主なメソッド Where、Select、OrderByなど ToList、ToArray、Count、Firstなど
元データの変更 反映される 反映されない
メモリ使用 効率的 結果を保持するため多め

6. 遅延評価の注意点

6. 遅延評価の注意点
6. 遅延評価の注意点

遅延評価は便利ですが、注意が必要な場合もあります。特に、クエリを定義した後に元のデータが変更されると、予想外の結果になることがあります。


using System;
using System.Linq;
using System.Collections.Generic;

class Program
{
    static void Main()
    {
        List<int> numbers = new List<int> { 1, 2, 3, 4, 5 };
        
        // 遅延評価のクエリ
        var query = numbers.Where(n => n > 2);
        
        // 元のデータを大きく変更
        numbers.Clear();
        numbers.Add(10);
        numbers.Add(20);
        
        // この時点で実行されるため、変更後のデータが使われる
        foreach (var num in query)
        {
            Console.WriteLine(num);
        }
    }
}

実行結果:


10
20

このように、クエリを定義した時点と実行する時点でデータが変わっていると、意図しない結果になることがあります。データの状態を固定したい場合は、即時評価を使うべきです。

7. 使い分けのポイント

7. 使い分けのポイント
7. 使い分けのポイント

遅延評価と即時評価、どちらを使えばいいか迷う場合は、以下のポイントを参考にしてください。

遅延評価を使うべき場合

  • 大量のデータを扱う場合で、すべてのデータが必要ではない時
  • クエリの結果を複数回使わない時
  • メモリを節約したい時
  • 最新のデータを常に参照したい時

即時評価を使うべき場合

  • クエリの結果を何度も使いまわす時
  • データの状態を固定したい時
  • 元のデータが変更される可能性がある時
  • 結果の件数を事前に知りたい時

8. 実践的な使い分けの例

8. 実践的な使い分けの例
8. 実践的な使い分けの例

最後に、実際のプログラムでどのように使い分けるか、例を見てみましょう。


using System;
using System.Linq;
using System.Collections.Generic;

class Program
{
    static void Main()
    {
        List<string> fruits = new List<string> 
        { 
            "りんご", "バナナ", "みかん", "ぶどう", "メロン" 
        };
        
        // 遅延評価:長い名前のフルーツを探すクエリ
        var longNameFruits = fruits.Where(f => f.Length > 3);
        
        // 即時評価:結果を固定して保存
        var savedResults = fruits.Where(f => f.Length > 3).ToList();
        
        Console.WriteLine("元のリスト:");
        foreach (var fruit in fruits)
        {
            Console.WriteLine(fruit);
        }
        
        // リストを変更
        fruits.Add("いちご");
        fruits.Add("スイカ");
        
        Console.WriteLine("\n遅延評価の結果(変更後):");
        foreach (var fruit in longNameFruits)
        {
            Console.WriteLine(fruit);
        }
        
        Console.WriteLine("\n即時評価の結果(変更前に固定):");
        foreach (var fruit in savedResults)
        {
            Console.WriteLine(fruit);
        }
    }
}

実行結果:


元のリスト:
りんご
バナナ
みかん
ぶどう
メロン

遅延評価の結果(変更後):
バナナ
ぶどう
メロン
スイカ

即時評価の結果(変更前に固定):
バナナ
ぶどう
メロン

このように、遅延評価では後から追加した「スイカ」も結果に含まれますが、即時評価では含まれません。プログラムの目的に応じて、適切な評価方法を選ぶことが大切です。

9. パフォーマンスへの影響

9. パフォーマンスへの影響
9. パフォーマンスへの影響

遅延評価と即時評価は、プログラムのパフォーマンス(処理速度やメモリ使用量)にも影響を与えます。

遅延評価は、必要なデータだけを処理するため、大量のデータから一部だけを取り出す場合に効率的です。例えば、千件のデータから最初の十件だけを取得する場合、遅延評価なら十件分の処理だけで済みます。

一方、即時評価は、すべてのデータを一度に処理してメモリに保持します。同じクエリを何度も実行する場合は、即時評価で結果を保存しておいた方が、毎回処理を繰り返すよりも効率的です。


using System;
using System.Linq;
using System.Collections.Generic;

class Program
{
    static void Main()
    {
        // 大量のデータを想定
        var numbers = Enumerable.Range(1, 1000000);
        
        // 遅延評価:最初の5件だけ取得(効率的)
        var firstFive = numbers.Where(n => n % 2 == 0).Take(5);
        
        Console.WriteLine("最初の5つの偶数:");
        foreach (var num in firstFive)
        {
            Console.WriteLine(num);
        }
    }
}

このコードでは、百万件のデータがありますが、Take(5)で最初の五件だけを取得しています。遅延評価のおかげで、五件見つかった時点で処理が終了するため、非常に効率的です。

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